公的年金制度には国民年金、厚生年金保険、共済年金の3つがあり加入対象者が異なる。
この他、労働災害を原因として支給される労災年金があるが、ここでは省略する。
このうち、厚生年金保険は民間企業で働く人が加入する年金制度である。
また、共済年金は公務員や私立学校に勤める人が加入する制度である。JR,NTT,日本たばこ産業の勤務者も以前は共済年金に加入していたが、国営企業から民営化され、厚生年金保険に統合された。農協勤務者も独自の共済年金を制度化していたが、制度維持が厳しくなり、平成14年4月1日に厚生年金保険に統合された。
国民年金は当初自営業者のための年金制度として発足したが、昭和61年4月1日に大幅改正され、各年金制度に共通する横断的な年金として位置づけられた。(いわゆる「新年金制度」)
すなわち、厚生年金保険に加入している人も共済年金に加入している人も同時に全国民共通の国民年金に加入している(第2号被保険者)という考え方で、毎月支払っている保険料の一部は国民年金に振り替えられている。(専門用語で「拠出」という)
同様に第2号被保険者の被扶養配偶者も新たに第3号被保険者となり保険料を「拠出」で支払っている。従来からの国民年金の加入者である自営業者は第1号被保険者と呼ばれるようになった。「厚生年金・共済年金の加入者は年金額が多くていいな」とよく聞くが、それは厚生年金・共済年金の他に国民年金保険料も掛けているからである。
公的年金の種類 相模経済新聞 2007年10月10日掲載記事