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助成金には都道府県や市町村が支給する助成金、経済関連の国の機関が支給する助成金等様々なものがありますが、ここでは厚生労働省が主として雇用の維持や、新たな雇用を生み出すような施策を実施した事業主に一定の助成を行う雇用助成金を取り上げます。
雇用助成金の受給のメリットは返済不要であることと、助成金を受給できることによる世間からの信頼性の向上が図られることです。このような助成金のメリットを享受するためには一定の条件を満たす必要があり、その共通するものは次のとおりです。日頃からこれらの点に留意して”ムラ”の無い経営に取り組みましょう。
(1)雇用保険に加入していること。
(2)会社都合による従業員の解雇をしていないこと。
(3)各種公的書類の提出期限を厳守していること。
(4)労働者名簿、就業規則を備えている事
雇用助成金の詳細について情報のある事業主が少なく、また、情報があっても手続きが面倒で、申請されていない事業主が多数を占めています。収益環境が厳しい昨今ですので、助成金の活用を真剣に考えるべきです。中澤社会保険労務士事務所では、このようなニーズにお応えし、申請代行を積極的に行います。
万が一、条件に当てはまらない項目がありましたら、これをクリアするための改善点等をご提案申し上げますので、お気軽にご用命ください。
助成金には厚生労働省関係だけで、大きく分けて36種類、一つの種類の中で更に細分化され、全部で50種類近くありますが、身近でよく利用されるものを挙げると次のとおりです。
(1)雇用調整助成金
雇用調整助成金はご存知のように、厚生労働省が取り扱っている助成金で、業況不振で雇用維持が困難な場合に、賃金の一定部分を国が助成し、雇用維持を図ろうとするものです。
コロナ禍で、昨年4月の緊急事態宣言より、本助成金の簡素化と助成金の増額(コロナ特例)が実施され、度々の延長と内容の変更が実施されています。
蔓延防止措置・緊急事態宣言が6月20日まで延期されたことにより、本助成金の特例も7月まで延長されましたが、助成内容が大幅に変更されました。申請書も変更となります。
詳しくは厚生労働省のホームページを参照ください。
雇用調整助成金の様式ダウンロード(新型コロナ特例)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
記
従業員数20名以下の小規模企業
◆従来の助成条件、助成金額が継続される場合
次のいずれかに該当する場合、
(1)計算期間に4月以前の日が1日でも入っている場合
(2)対象地域が蔓延防止措置・緊急事態宣言に入っており、かつ、業種が飲食業等営業時間の短縮の要請を受けている業種の場合
(3)生産指標が直近3か月の月平均で前年又は前々年同期と比べ30%以上減少している場合。
◆助成内容が変更となる場合
上記の助成内容継続のいずれの条件にも当てはまらない場合は次の様に変更となります。
助成率が100%→90%
休業1日当たりの限度額15,000円→13,500円
◆新規の取り扱い条件
新型コロナウィルスの影響により事業活動の縮小を実施。
直近1カ月(その前月又は前々月でも可)の生産指標が前年同期又は前々年同期に比べ5%以上減少。
所定労働日数の40分の1以上の休業
従業員の解雇を行っている場合は基準の80%の助成金額となります。
従業員数21名以上の中小企業
新規の場合の提出書類、申請書の書式が異なります。
詳しくは上記の厚生労働省ホームページを参照ください。
通常の雇用調整助成金
概要は次のとおりです。なお、ここに掲載されている条件は基本的なもののみで、他にも細かい条件がありますのでご留意ください。
ア.助成を受ける主な条件
(ア)最近3ヶ月間の生産(販売)が前年同期に比べ、10%以上減少していること。
(イ)最近3ヶ月間の平均労働者数が前年同期に比べ10%を超えてかつ4人以上増加していないこと。
(ウ)労使間の協定により、休業、労働時間短縮、出向、教育訓練等の計画をあらかじめ立て、職業安定所等の窓口を通して認定を受けていること。
(エ)休業期間中に所定賃金の6割以上の休業手当を支払っていること。
イ.助成金額
(ア)助成対象となる労働者
対象となる事業主が雇用する従業員。但し、解雇予告をされた者、退職願を提出した者等は対象になりません。
(イ)対象労働者一人当たり支給額
休業手当又は賃金相当額×2/3(大企業1/2)
(ウ)支給日数
対象事業主が、休業等を行なう旨届け出たときに指定した雇用調整の初日から起算して1年間。
(支給限度日数は3年間で300日です。)
ウ.受給サイクル
(ア)申請サイクル
1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月のいずれかを選択することができます。
(イ)請求サイクル
1ヶ月分ずつになります。
(2)特定求職者雇用開発助成金
この助成金は高齢者や身体障害者、母子家庭の母等就職が困難な人の雇用促進を図るために設けられた制度で、過去2度にわたって中小企業への助成額の増額が行なわれ、雇用促進事業の重点項目になっています。
ア.対象となる労働者
(ア)60歳以上の高齢者
(イ)身体障害者・知的障害者等
(ウ)母子家庭の母等
(エ)中国残留邦人等永住帰国者他
イ.受給できる事業主の主な条件
(ア)雇用保険の適用事業主であること。
(イ)上記1の対象者を公共職業安定所または無料・有料職業紹介事業者の紹介により、一般被保険者(短時間労働者を含む)として雇入れ、当該労働者を助成金の支給終了後も引き続き相当期間雇用することが確実であると認められる。(重度障害者等は別途規定有)
(ウ)対象労働者の雇入れの日の前日から起算して6ケ前の日から1年間を経過する日までの間に、事業主の都合による解雇(勧奨退職を含む)者数が当該雇入れの日における被保険者数の6%を超えていないこと。
(エ)対象労働者の雇入れの日の前日から起算して6ケ前の日から1年間を経過する日までの間に、特定受給資格者となる離職理由により当該雇入れの日における被保険者数の6%を超えて離職させていないこと。
特定受給資格とは、倒産や事業縮小、解雇、労働条件が採用時に示された内容と著しく異なることを理由とする離職、賃金が85%未満に減少したことによる離職等を言う。
(オ)労働者名簿、賃金台帳、出勤簿を備えていること。
ウ.受給額 ( )内は短時間労働者
高齢者・母子家庭の母 90万円(60万円)
身体障害者・知的障害者 135万円(90万円)
(3)若者チャレンジ奨励金
平成25年度限りの時限措置の奨励金で、35歳未満の非正規雇用の社員を正社員として雇用することを前提にOJT,OFF-JTを組み合わせた訓練を実施する事業主に奨励金を支給するものです。また、すでに雇用している非正規雇用の社員に訓連を実施して正社員にしようとする場合にも摘要されます。
ア.事業主の条件
(ア)雇用保険の摘要事業主であること
(イ)期間契約社員を正社員とするために所定の訓練を実施すること
(ウ)訓練期間中に訓練対象社員を正社員と同様の労働条件で働かせること
(エ)過去3年位内に助成金の不正受給がないこと
(オ)労働保険料の滞納がないこと
(カ)訓練受講者を事業主都合で解雇してないこと等
イ.訓練の内容
(ア)自社内での実習(OJT)と座学(OFF-JT)を組み合わせた訓連でOJTの占める割合が全体の1割以上9割以下であること。なお、OFF-JTは外部の教育訓練機関での実施、外部の教育訓練機関の講師の派遣を受けて実施、訓練分野の実務経験が5年以上の自社従業員等による実施の何れかであること
(イ)1ヶ月当り130時間位上かつ訓練期間が3ヶ月以上24ヶ月以下であること
ウ.訓練計画について、予め労働保険局長の確認を受けること
エ.従業員の条件
(1)35歳未満の非正規雇用の社員であること。(既往、新規採用の何れでも可能)
(2)正社員になるための所定の訓練を受けること
(3)過去5年以内に訓練実施分野で正社員として3年以上継続勤務したことがないこと
(4)登録キャリアコンサルタントによる認定とジョブカードの交付を受けられること
オ.訓練を実施し、ジョブカード様式4(評価シート)による評価を行うこと
カ.助成金の額
(ア)訓練助成金
1ヶ月1人当たり15万円(訓練計画に対し8割以上の時間の実績があること)
訓練終了後2ヶ月以内に請求
(イ)正社員雇用奨励金
a.1年経過 50万円
訓練修了者を正社員として雇用し、1年経過した日の翌日から2ヶ月以内に請求、
b.2年経過 50万円
訓練修了者を正社員として雇用し、2年経過した日の翌日から2ヶ月以内に請求
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