年金給付は、収入の減少が予想される場合にその補填を目的として一定の給付を行い、生活の安定を図ろうとするものである。
一般的に年金といえば高齢になった場合に支給される「老齢給付」が思い浮かぶ。これは高齢になって労働収入の減少が予想される場合に生活費の一部に当てるのが本来の趣旨である。
従って、高齢になっても一定の労働収入がある場合には支給額が制限される場合がある。
2番目にあげられる給付が「障害給付」である。障害給付は災害や病気(労働災害や労働が原因の病気を除く)のため一定の障害が残り、働く能力が低下した場合に収入の減少を補うことを目的に支給されるものである。
3番目にあげられる給付が「遺族給付」である。遺族給付は配偶者等を失った場合にその遺族の収入の減少を補うことを目的に支給されるものである。一般的には男性が死亡した場合に支給される場合が多く、女性が死亡してその配偶者が遺族年金を受給すケースは少ない。それは、従来の日本の生活習慣では結婚した場合に、男性が主として働き、女性は家庭に入るかまたは働く場合であっても補助的に働いている場合が多いからである。
しかし、最近は女性の社会進出が著しく、かつ、男女における労働内容の差がなくなりつつあり、将来的には様子が変わってくると思われる。
年金給付の種類 相模経済新聞 2007年10月20日掲載記事