国民年金(老齢基礎年金という。)のもらえる年齢は65歳である。厚生年金保険のように生年月日による差や男女による差は無いので単純でわかりやすい。国民年金では日常よく話題になる繰上げ請求、繰下げ請求について詳しく説明する。 繰上げ請求とは65歳よりも早い年齢でもらい始めることで、最短で60歳より受給することができる。この場合、年金額がもらい始める年齢に応じて減額になる。年金額の詳細は次の機会に説明することにし、ここでは繰上げ請求のメリット・デメリットについて説明する。
メリットはあくまでも個人の考え方であるが、若くて元気なうちに受け取ることにより、お金を有効に使えるということである。年をとり、動けなくなって年金をもらうよりは元気なうちにもらったほうがよいという考え方である。
デメリットの①は減額された受給率が一生変わらず元には戻らないということである。細く長くもらうか太く短くもらうかは一つの賭けである。
60歳からもらった場合と65歳からもらった場合の損益分岐点は76歳8ヶ月と言われている。日本人の平均寿命は年を追って長くなっており、現在では男性は79歳女性は86歳を超え、世界一の水準である。これらを考慮すると一般的には早くもらうと損する確率が高いといえる。昔は早くもらう人の方が多かったが、最近は逆転し65歳まで待つ人が増えている。自己の健康状態なども考慮し、慎重に判断するようにしたいものである。
国民年金は何歳からもらえるか-その1- 相模経済新聞 2008年1月20日掲載記事