前回に引き続き国民年金の繰上げ請求のデメリットについて説明する。デメリットの②は65歳前に障害者になっても障害基礎年金の請求をできなくなることである。特に1級の障害基礎年金は通常の老齢基礎年金よりも金額が多くなるが、いったん繰り上請求すると障害基礎年金の請求ができなくなるので注意する必要がある。
デメリットの③は夫に万が一のことが起こり、妻に遺族厚生年金が支給されると繰上げ請求していた妻自身の老齢基礎年金は64歳まで支給停止になる。減額された年金である上に支給されなくなるのであるから影響が大きい。65歳になると復活するのであるが、あくまでも減額された年金である。 デメリットの④は繰上げ請求している夫が死亡した場合、妻が寡婦年金をもらえなくなることである。寡婦年金とは第1号被保険者としての国民年金の加入期間が25年以上ある夫が年金を受給しないで死亡した場合に妻に支給される遺族年金の一種である。
デメリットの⑤は国民年金の任意加入ができなくなることである。
国民年金の加入可能期間を満たしてない人は60歳以降も国民年金に任意加入し、年金額を増やすことができる。しかし、繰上げ請求してしまうとこれができなくなる。
次に国民年金の繰下げ請求についてである。
繰下げ請求とは本来の請求年齢である65歳で年金を請求せず、最長70歳まで遅らすことであり、請求年齢に応じて年金額が加算される。
国民年金は何歳からもらえるか-その2- 相模経済新聞 2008年2月1日掲載記事