厚生年金保険の繰上げ・繰下げ受給
①一部繰上げの年金額
一部繰上げとは定額部分支給開始年齢までの老齢基礎年金を早くもらおうとするものである。昭和23年1月18日生まれで平均標準報酬月額30万円、厚生年金加入期間40年、加給年金額の対象となる配偶者がいるという事例で60歳時に一部繰上げをした場合の年金額を計算してみる。
65歳迄の5年のうち定額部分支給開始までの4年分の老齢基礎年金を繰上げ受給するから老齢基礎年金は、老齢基礎年金788、900円×5分の4×繰上げの減額率70%で端数整理すると441,800円になる。一部繰上げでは定額部分の残り5分の1が特別に加算されていることになっているので788,900円に5分の1をかけると157,780円になる。報酬比例部分1,092,000円と総合計すると1,695,600円になる。加給年金額は繰上げ請求できない。
②全部繰上げの年金額
老齢基礎年金5年分を全部繰り上げて受給することになるので老齢基礎年金788,900円×70%で端数整理すると552,300円となり、報酬比例部分1,092,000円を合計すると1、644,300円で、結果的に一部繰上げよりも少なくなる。厚生年金が長い人は全部繰上げを行うべきではないことがわかる。
③繰下げの年金額
65歳時1,880,000円の老齢基礎年金と老齢厚生年金の全額を70歳まで繰下げた場合の年金額を計算すると1,880,000円×70歳の繰下げ受給率142%で端数整理すると2,669,600円になる。
年金の繰上げ受給・繰下げ受給-厚生年金保険- 相模経済新聞 2008年4月01日掲載記事