特別支給の老齢厚生年金と雇用保険の失業給付(基本手当)を同時に受給することは出来ない。
以前はそれが出来たため退職して1年位は現役時代よりも収入が増えたということも多かった。
しかし、平成10年4月1日に制度改正が行われ、基本手当を受給する場合は特別支給の老齢厚生年金が全額支給停止となるようになった。
老齢厚生年金が支給停止になる期間は失業の認定を受けるために公共職業安定所で求職の申し込みを行った日が属する月の翌月から受給期間が終了する月までである。年金と雇用保険の両方を請求した場合には失業保険が優先し、年金は支給停止になる。
失業保険は平成19年10月から制度改正が行われ、1ヶ月間に給与を受けた日数11日以上の月が12ヶ月以上あること(会社都合による退職の場合は6ヶ月という特例もある。)が条件になる。また、支給額は退職前1年間の給与の平均を基にその45〜80%であり、給与の高い人ほど給付率が低くなる。いずれにしても、現在は部分年金受給時代に入っているため、60歳時の年金は報酬比例部分のみで、失業給付のほうが多くなるケースが多いと思われる。
この場合は、最初に失業保険の請求手続きをし、受給資格者証の交付を受けてから年金の請求を行うようにする。失業保険の終了後に年金を請求する人もいるが、平行して行えば失業保険終了時に自動的に年金が支給されるようになるので失業保険と年金受給のブランクが少なくてすむ。
年金と失業保険について 相模経済新聞 2008年5月10日掲載記事