年金特別便には本人の基礎年金番号に記録されている年金加入実績のみが年金の種類別に記入され、名寄せ作業の結果判明した記録の内容は記入されていない。この方法では年金に精通していれば手紙を見て不自然な箇所を発見できるが、そうでなければ難しい。厚生労働省はなりすましを防ぐために記載しないと言っているが、30年も前のことを思い出せといっても年金に加入していたという認識がなければ無理な要求である。このような批判に応えて、詳しい説明資料をつけた特別便を再発送したが、すでに相談済みの先にも出されたため、該当先からクレームがついてしまった。
次に年金特別便を受け取った場合の留意点について整理する。最も大切なポイントは年金の加入暦を年金の種類別に考えるのではなく学校を卒業してか(在学中にアルバイトをした場合には在学中から)の職歴の変遷を横の軸にして年代順に埋めていくとよい。そうすることで記憶の書き忘れを防ぐことが出来る。
入社・退社・再就職・失業中等年代を入れていく。失業中は国民年金に加入したか否かを書き出してゆく。思い出せなければオリンピック・皇太子の結婚・供の誕生等節目となる出来事のときに何をしていたかを考えると思い出しやすい。家族と話し合うことも有効である。4月以降には緑色のマークをつけた用紙により名寄せ該当先以外の先に順次出されている。現役は会社を通じて送付される場合もある。
番外3 年金得別便3 相模経済新聞 2008年6月10日掲載記事