労働・社会保険情報(24/5

        新社長が就任後最初になすべき二つのこと

今月はボストンコンサルティンググループ日本代表の御立尚資先生が日経NBオンライン521日号に掲載された新社長に就任した場合、最初の100日間に何をすべきかについて述べた記事を抜粋して紹介させていただく。掲載された記事は社長向けの論説であるが、社長という立場でなくとも上に立つ立場にある上司という位置づけでも応用できるものと考えられる。

 まず第1のポイント。それは、最初に何をするか、ということを考える際に、足元のビジネス上の要件だけを見るのではなく、歴史の中での自分の大きな役割を考えることから始める、ということ。そして、それを念頭に置いて、具体的になすべきことを組み立てていくことである。

 私(御立先生)が懇意にさせていただいた何人もの成功された社長が、過去数十年にわたっての自社の歴史を振り返り、歴代の先輩社長が歴史的にどんな役割を果たしてこられたかを、社長自身で再整理しておられた。社史を読み返したり、社内外の様々な人の話を聞いたりしたうえで、自社と先輩社長について、自分なりの歴史観を再構築する、という作業だ。

面白いもので、歴史的役割という視点を加えてみると、骨太で、少々のことではぶれない軸が浮かび上がってくるようだ。これを頭の中に置いて、「最初の100日に何をするのか」「まず、何を語っていくべきか、行っていくべきか」を考えていく。 そうすることで、首尾一貫し、かつ、社内外の多くの人にとっても納得のいきやすい「新社長の方針」が出来上がる確率が高くなる。逆に言えば、こういった太い軸なしに進めていくと、妙にこじんまりした方針や、近視眼的な打ち手が中心の「最初の100日」になってしまうように思える

2のポイント。これは、第1のポイントと表裏一体であり、かなり似たようなところもあるのだけれど、今度は視点を将来に転じ、2期なり3期なりを務めあげた時点に自らを置いてみる。そしてその時点から振り返って、「平社員からトップの役割に至り、そしてそれを務めあげるまでの自分のキャリアは、どういう流れに導かれて、どのようなものになったか」というストーリーを考えるのだ。

企業トップとは、実に孤独であり、異様なまでのプレッシャーにさらされる存在だ。そういう状況に入っていくに当たり、「自分自身の人生とキャリアについてのストーリー」、それも今から何年か後、社長としての責務を果たした状態を想像して、その時点から考える「ストーリー」がある、ということは、大きな力になるはずだ。思いもよらないような環境変化、あるいは社内事情の激変は、現代の企業トップにはつきものであり、この仮説自体も次第に変化していくことになるのは当然だ。

 しかし、こういう激変が世の常であるからこそ、歴史の流れの中に自分を置き、かつ自分自身の人生とキャリアの「つじつまの合うストーリー」を持つことの価値は、計り知れない。

 

                                    労働・社会保険情報(24/4)

             助成金シリーズ12「定年引上げ等奨励金」

 2年後に男性の厚生年金定額部分の受給開始年齢が65になるのに備え、「定年引上げ等奨励金」により、65歳以上への定年の引き上げ等を平成23年4月1日以降に実施する事業主に対し、一定の助成金を支給するものである。既往事業主向けと設立事業主向けがあるが今回は前者に限定して説明する。

1.対象となる事業主

 (1)(2)の施策を実施した日現在の雇用保険被保険者が300人以下の事業主。

(2)次の施策を就業規則等に定め実施すること。

a.65歳以上への定年の引き上げ

b.定年の定めの廃止

c.希望者全員を対象とする70歳以上までの継続雇用制度の導入

d.希望者全員を対象とする65歳以上70歳未満までの継続雇用制度を導入し、同時に労使協定に基づく基準該当者を70歳以上まで継続雇用する制度の導入

 (3)実施日の1年前の日から支給申請日の前日までの期間に高齢者等の雇用安定時関する法律8条又は9条違反がないこと。

 (4)事業主が実施した措置が平成18年4月1日から実施日の前日までに就業規則等で定めた旧定年年齢・旧継続雇用年齢を超えるものであること。

 (5)支給申請日前日において1年以上雇用されている60歳以上の常用被保険者が1人以上いること。

 (6)実施日から支給申請日の前日までに定年又は継続雇用制度の引き下げを行なっていないこと。

2.受給できる額

 制度の導入内容により次の金額とする。

併せて高年齢者の勤務時間の多様化(一般労働者と同様の他、基準労働時間の4分の3未満で週20時間以上の制度導入し、選択を可能とする。)を実施した場合、一律20万円を加算する。

                           単位万円

 

 

企業規模

(a)65歳以上70歳未満への定年引上げ

(b)70歳以上定年、定年の廃止または希望者全員を70歳以上まで継続雇用

(c) 希望者全員を65歳以上70歳未満迄継続雇用かつ労使協定で基準該当者70歳以上迄継続雇用

1〜9人

     40[20]

40[20]

  20

10〜99人

     60[30]

80[40]

  40

100〜300人

     80[40]

120[60]

  60

注1 ((a)(b)の[ ]内は1年以上雇用されている64歳以上の常用被保険者がいない場合の金額

注2 (c) は1年以上雇用されている64歳以上の常用被保険者がいない場合、支給しない。

注3 平成24年4月1日以降の定年の引き上げ、継続雇用制度の導入又は定年の廃止を実施し、本奨励金を受けたことがある場合は支給しない。

3.受給手続き

 (1) 中小企業定年引上げ等奨励金支給申請書に必要書類を添付し、当該事業主の主たる事務所が所在する都道府県の(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構地域障害者職業センター雇用支援課(東京、大阪は窓口サービス課)(以下「高齢・障害者雇用支援センター」という。)に実施日から1年以内に申請する。

 (2)主な必要書類

    就業規則 

    登記事項証明書 

    雇用保険適用事業所設置届

    雇用保険資格取得等確認通知書

    預金通帳、労働保険料の申告書

 

                                    労働・社会保険情報(24/3)

                                        仕事の本当の尊さ

日経NBオンライン3/15に掲載された東京大学非常勤講師 河合 薫氏の記事を紹介させていただく。

大手広告代理店に勤める48歳の男性の言葉「最近の若い人って、人のために働きたいとか、地元に帰って地元のために働きたいとか言うでしょ? ああいうの、何かうらやましいんですよね〜。実は私も50歳になったら地元に帰りたいって思っていたんですけどね、実際にはそれができない自分がいる」

数字だけを見ると、若者の地元志向は明らかに高まっている。だが、若い人たちが、何がしかの意味を持ち、積極的に地元を選択しているのかというと、必ずしもそういうわけではない。数字では捉えきれていない、若者たちの地元志向の複雑さが、そこにはある。

 とかくリスクを嫌う若者たちの中には、新しい人間関係や、新しい生活を選択することへのリスクを避けるために、地元を消極的に選択しているケースも実際には多い。わざわざリスクを冒して上京しなくとも、今の環境の中で生きていくことに、一種のあきらめを抱いている場合もあるというわけだ。ところが、安心感を求めて地元で働くことを選んだにもかかわらず、結果的に満足のいく仕事に就くことができずに、ニート化してしまう若い世代も少なくない。

では、東京の大学に入り、東京で就活を行っている学生たちはどうか?実はこの件については、興味深い出来事があったので紹介しようと思う。昨年の秋から、学生たちに昭和の高度成長期を生き抜いてきた偉人たちの手記を読ませ、それぞれ発表するという講義を半年間行った。意外にも学生たちの反響が大きかった人物がいた。それは、「宮崎観光の父」として知られる岩切章太郎─。現在、日南海岸の象徴ともなっているフェニックスを植林し、宮崎の市民の足として宮崎交通を創業し、バスガイドを日本で初めて誕生させた人物である。

学生たちの多くが、岩切が東京帝国大学を卒業して、住友総本店に就職しながらも、3年で辞めて「民間知事」として宮崎に帰った“理由”に強い感銘を受けていた。その“理由”とは岩切が中学生時代に新渡戸稲造の「日本人は肉食をしないから、体格が小さい。しかし、日本人には肉食の習慣がない。ところが、日本には、豆腐という素晴らしいたんぱく資源がある。そこで、おいしい豆腐を作って、日本人にたくさん食べさせることが必要である。私はそれまで学者になろうと思っていたが、そのとき以来、学者になるか、豆腐屋になろうか、一生懸命、毎日、考え込んだ」という言葉に共鳴したことにある。

東京を目指す人が多かった中、自分は地方に帰って、地方の生活を豊かにしようと考えた当時の心境を岩切は、「田舎者になりたくないと思った」と語っている。そして、「田舎者にならないためには、物事を新しい角度から見る努力を惜しまないようにしよう」と自分の中で決めた。それは「自分との戦いでもあった」とも語っている。

もし、田舎に戻ることをためらう自分がいるとすれば「そこの会社で何をしたいのか」という本題を置き去りにして、職務の優劣で仕事の価値までも測っていただけのことではないのだろうか。

 

                                    労働・社会保険情報(24/2)                  

労働保険・社会保険料率の改定について

次のとおり各種保険の保険料率が改定になります。健康保険・介護保険は3月分(4月納付分)雇用保険・労災保険は4月1日からとなります。この10年間の保険料率の動きを見ますと労働保険料は下落傾向にあり、社会保険料は上昇傾向がはっきりしています。 

 

        改 定 前

     改 定 後

 

 事業主

 従業員

合 計

事業主

従業員

合 計

社会保険

 協会けんぽ保険料率

 介護保険料率

 厚生年金保険料率

 

4.745%

0.755%

8.206%

 

4.745%

0.7550

8.206%

 

9.49%

1.51%

16.412

 

4.99%

0.775

改定無

 

4.99%

0.775

改定無

 

9.98%

1.55

改定無

労働保険

○ 雇用保険料率

  一般の事業

  農林水産業

  建設の事業

 

 

0.95%

1.05%

1.15%

 

 

0.6%

0.7%

0.7%

 

 

1.55%

1.75%

1.85%

 

 

0.85%

0.95%

1.05%

 

 

0.5%

0.6%

0.6%

 

 

1.35%

1.55%

1.65%

○ 労災保険抜粋

 道路新設事業

 舗装工事業

 既設建築物設備工事

 その他建設事業

 食品製造業

 木材、木製品製造業

 印刷又は製本業

 非鉄金属精錬業

 鋳物業

 電気機械器具製造

 計量器光学械製造

 貨物取扱事業

 港湾貨物取扱事業

 清掃

 ビルメンテナンス業

 通信放送新聞出版

 卸小売飲食宿泊

 金融保険不動産

 その他各種事業

 

1.5%

1.1%

1.4%

1.9%

0.65%

1.5%

0.45%

0.85%

1.9%

0.35%

0.3%

1.1%

1.2%

1.3%

0.6%

0.3%

0.4%

0.3%

0.3%

 

 

 

1.6%

1.0%

1.5%

改定無

0.6%

1.3%

0.35%

0.7%

1.7%

0.3%

0.25%

0.9%

1.1%

改定無

0.55%

0.25%

0.35%

0.25%

改定無

 

 

                    労働・社会保険情報(24/1)                      

―部下に頼れるようになって初めて一人前の上司―


今回は面白法人カヤックの代表である柳沢大輔氏の記事に強く引かれましたので、それを紹介させていただきます。
「みなさん、今年の僕は力不足でした。僕を助けてください。力を貸してください」
そのメールが流れた後のリーダー層の反応はとても熱いものがありました。その一言を僕らはまっていました。いつでも力を貸しますよ」と。
 
さっそく、そのメールが流れた日に事業部のリーダー陣が集められて各自が素直に今の事業部に置かれている問題を吐露。他にも同じように苦しんでいる人たちも素直に吐き出しました。おそらく部のトップである貝畑がなかなか泣き言を言わないので、部下も言い出しづらい雰囲気だったのかもしれません。そしてここから流れがよくなりそうな変化がはじまった気がします。

「自分の弱さを認めて、力を貸してほしい」とひと言発することで流れが変わることがある。それを目の当たりにした瞬間でした。 確かにリーダーが強すぎるだけでは人はついてこない。そんなに強いリーダーの下にいるひとは自分は必要ないんじゃないかと思ってしまうのです。弱ったリーダーが心の底から助けてくれと言うことで、自分が必要とされていることがわかる。それが人を時に奮い立たせ勇気づけるのです。

「人は誰かに必要とされたい」というのは何ら目新しい話ではありません。職場で「私は必要とされてない」と感じたら誰だって辞めたくなります。だからこそリーダーの心構えとしても「部下に頼れるようになって初めて上司として一人前」このように言われています。

 ですが、ここで知った「頼る」は、「任せる」とか「お願いして人を使う」とかそういった類のものとは根本的に違いました。いくら任せていても相手が「この人は私をほんとに必要としてくれている」と感じることができない限り人の心は動かせない。つまり、完全に自分にはできないことがあることを認め、相手に完全にゆだねてしまうということ。こういう姿勢でなければだめで、相手に本当に委ねてしまうことが、相手への優しさでもあるのです。(行き過ぎると依存関係になってしまうので注意ですが)。

 昨年12月の社会保険労務士会の研修で、ネクストスタンダード代表の齊藤正昭先生の講演を拝聴したときも「前向きな人間過ぎると全員が死んでしまう。するべきことを三つ教え、一つでもできるようになったらそれをいってあげることが大切です。言葉は贈り物、人間は頭ではなく足で動く」と話されていましたが、共通する所があるなと感じた次第です。

 

                    労働・社会保険情報(23/12)
              −不公平解消の切り口から年金制度改定を考える―
 少子高齢化の進展とそれに伴う年金・医療費等社会保障関連の増加が著しい。国立社会保障・人口問題研究所「平成19年度社会保障給付費」の資料によると次の表の通りとなる。                                                                                                                              金額単位 兆円                            

 

1970年

1980年

1990年

2000年

2009年(予算ベース)

国民所得額 (A)

  61.0

203.2

348.3

371.6

367.7

給付費総額 (B)

3.5

24.8

47.2

78.1

98.7

(内訳) 年金

0.9

10.5

24.0

41.2

51.5

      医療

2.1

10.7

18.4

26.0

31.0

 福祉その他

0.6

3.6

4.8

10.9

16.2

B/A

5.77%

12.19%

13.56%

21.02%

26.84%

 これによると1970年から2009年の間の国民所得の増加額が約6倍に対し、社会保障給付費は28.2倍となっている。1990年までは国民所得額が順調に増加していた為、国民所得額に占める割合は10%前半に収まっていたが、2000年ではこの割合が20%を超え、現在では30%を超えているものと思われる。
対応策を先延ばしすれば将来的にギリシャやイタリアの二の前になりかねない危険性をはらんでいる。
支給年齢の引き上げ等年金制度全体の改定よりも不公平解消の切り口で当面の施策を考えてみたい。

第一には物価スライドの特例措置の解消である。公的年金制度では年金の受給価値の物価変動による影響を受けないよう、物価が上がった時は給付額を上げ、下がった時は引き下げるようになっている。1998年前は物価が上がり続け、年金額の増加改定を行なって来たが、1999年の物価下落時から特例法により減額改定を行わなかった年度があり、2010年度累計で2.2%にのぼっている。これは直ちに解消すべきである。1999年からの受給者はもらい得になっており、将来の受給者から見れば不公平極まりない。

 第二には、第3号被保険者の制度である。サラリーマンの奥さんは保険料を負担することなく国民年金を受給できるようになっている。独身の女性から見れば、自分たちの保険料で妻帯者の妻の年金保険料を払っていることになり、不公平といえる。厚生年金保険料の引き上げや高齢者からの保険料徴収を考えるよりもまず持って不公平の解消を図るべきである。

      第三には共済年金制度の脱退一時金の返戻による加入期間の復活を取りやめるべきである。
 厚生年金では退職時に厚生年金を解約すると年金額増加に反映することは出来ないが、共済制度では解約したときの一時金を返戻することにより加入期間を復活することが出来る。これも制度間の不公平であり、解消すべきである。

また、重要財源に考えられている消費税の引き上げも先延ばしすればする程将来の引き上げ率が高率になり、若い世代に負担を強いるわけで、世代間の不公平を生まないよう早急に実施すべきではないか。

 


                    労働・社会保険情報(23/11)
            日経ビジネスNBonline記事(23/10/31)の参照
               ―新しく広がるコワーキングという働き方―
今月は米国のシリコンバレーでジャーナリストとして働く加藤靖子氏の論評を紹介させていただく。
近年、サンフランシスコやニューヨークといった都市で「コワーキング・スペース」(coworking space=一緒に働く空間)が急拡大している。コワーキング・スペースとは、フリーランスのプログラマーやウェブデザイナーなど、独立して働く者同士が共有するオープンスペースのオフィスだ。
自宅を事務所とするソーホーでは、会社の事務所で見張ってくれていた上司はいなくなる。家でテレビをつけて、だらだらと時間を潰してしまうことも簡単だ。自宅作業は孤独感を感じやすく、アイディアが煮詰まることもある。しかしコワーキング・スペースでは、そうした問題を解決してくれる。オープンスペースで人とコミュニケーションを取るため、寂しくなることもない。また他人と仕事ぶりを見る事が、それぞれ個人のモチベーションになっているのだ。

自分の好きな事をやって独立していながら、コミュニティーの一部として仕事をすることが可能になる。独立しつつも人との繋がりの中で効率よく働くことが、新しいワークスタイルになっている。

サンフランシスコでウェブコンサル会社のCEOを務めるブランドン・ヒル氏が言及したメリットは3つ。
1つは、自分の職種以外の人が周りにいることで、コラボレーションが生まれること。
2つ目はコワーキング・スペースが開催するセミナーなどのイベントが、働く人の刺激になること。
3つ目は、起業家にとってコワーキング・スペースが投資家と繋がるきっかけになるということだ。
サンフランシスコやシリコンバレーは特に、投資家が流行のウェブサービスやスタートアップを積極的に探している場合が多く、コワーキングスペースを訪れるケースも多いのだ。
 「今はパソコン1台で働く時代。テクノロジー系以外の職種で、例えば弁護士や会計士といった人もコワーキングで働き、コラボレーションが可能になる時代が来る」と、コワーキングがさらに広い分野で拡大していくと見通す。

 日本でも東京都心を中心にコワーキング・スペースの利用が急速に進みつつある。地元相模原の「さがみはら産業創造センター」でレンタルスペースとして提供しているシェアードオフイス「Desk10」の利用も増加しているとの中村部長の話である。「Desk10」は一部屋に10人分の専用机があり、ワークデスク、コピー・プリンターの複合機、シュレッダーを共用できるようになっている。
 1ヶ月の基本料金は8,400円で、希望により、住所使用8,400円、専用ロッカー1,890円、電話代行13,230円で選択利用が出来る。自前の事務所を開設するのに比較すればリーズナブルな費用で事務所を開設できる。(「さがみはら産業創造センター」HP:http://www.sic-sagamihara.jp/

 また米国の新しいトレンドとして、母親もしくは父親が働くコワーキング・スペースで、子供も預けられるサービスを提供している所がある。2つのサービスを組み合わせることで、借り手は割引を受け、コストを削減することができる。自分の職場近くに子供を預けられるため、安心して働く事ができるというメリットも大きい。

 

                   労働・社会保険情報(23/10)
                   ―年金夫婦分割案について―
  9月29日に夫の厚生年金を夫婦に2等分する案が厚生労働省の方針として報道された。
現在の年金制度では、サラリーマン所帯で妻が専業主婦である場合、夫は老齢基礎年金に厚生年金(共済年金の場合は共済年金、以下同じ)が加算された年金を受け取り、妻は夫の厚生年金から拠出された保険料に基づく老齢基礎年金を受け取るようになっている。

  昭和61年3月以前の年金制度(旧法の年金制度)では妻の年金権が確立されておらず、妻に年金加入の義務がなかった。妻は夫の年金で養ってもらえば良いとの考え方が支配的な時代であったからである。女性の地位向上に伴って、昭和61年4月から年金制度が大幅に変わり(新年金制度)、サラリーマンの妻も国民年金に加入して65歳から老齢基礎年金を受給できるようになった。しかし、その制度の内容は、妻に収入がないとの理由から妻の年金に見あう保険料を徴収せず、厚生年金の加入者全体で、保険料を負担する内容にしたのである。そのため、機会ある毎に独身者から不公平な制度であるという不満が寄せられていた。

 今回の厚生労働省案は妻も家事で夫の稼ぎに貢献しているのであるから、夫の支払った保険料の半分は妻の払った保険料であるとみなし、夫の老齢厚生年金を2等分して妻の年金にしようとするものである。結果として夫婦平等の年金を受け取るようになる。妻が保険料負担無しに年金を受け取れるという不満に対し、妻も保険料を負担しているという考え方を打ち出したわけである。 専業主婦がいる世帯の家計の中だけで見ればある程度理解できる案ではあるが、独身世帯との比較では、同じ保険料で専業主婦のいる世帯は二人分の老齢基礎年金を受け取るのであるから不公平は解消しない。

今回の案に対し、
○ 夫婦の年齢差、特に妻の年齢が夫より若い場合の受給時期の差による損失。
○ 夫が亡くなった場合、妻が遺族年金(通常夫の老齢厚生年金の4分の3)を受け取れないので損する。
等の問題も指摘されているが根本的な不公平を解消することが重要であると考える。
国民健康保険の制度では保険料が収入による分と世帯割り、人数割りがあり、独身世帯と扶養家族がある世帯では保険料に大きな差がつくようになっている。厚生年金・健康保険の保険料でもこのような考え方を導入すべきではないか。

 高齢化で年金財政の解決が問題になっている訳であるが、その解決策の一つとして、専業主婦からの保険料徴収と健康保険における扶養家族の分の保険料徴収を検討すべきである。急速な負担増に対しては税制等の対応を図ることも検討課題になるとは思うが。また、パートタイマーに対して社会保険を適用する案も検討されているが、一般社員の労働時間あるいは労働日数の4分の3未満で働く社会保険の加入義務がない短時間労働者を多く抱える事業所の負担増は無視できず、年金保険料率の自動的アップと相まって強制適用事業所自体の社会保険未加入が益々増えてしまう原因になるのではないかと危惧するものである。

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